出っ歯と前歯が噛み合わない状態を改善した矯正治療
患者様について
28歳・大阪市在住の会社員の患者様です。
「出っ歯が気になる」とのことでご来院されました。

谷木院長による症例解説
初診時の歯並びの状態
口腔内を拝見したところ、奥歯の噛み合わせは大臼歯関係Ⅰ級(良好)でしたが、オーバージェット(前歯の前後的な距離)が約10mmと大きく、前歯が噛み合っていない状態でした。
また下顎前歯には強い叢生(歯のがたつき)も認められました。
診断と治療計画
歯列のスペース不足および前歯の突出の改善のため、上下左右の小臼歯抜歯を伴う矯正治療を計画しました。
ただし本症例では、上顎前歯に外傷の既往があり、歯が骨と癒着して動かなくなるアンキローシスの可能性が考えられました。
外傷歯がアンキローシスを起こしている場合、抜歯後に歯が動かずスペースが閉じられないリスクがあるため、慎重な判断が必要となります。
そのため本症例では、打診検査・CT画像の確認・動揺度の評価を行ったうえで、まず前歯の配列を行い、実際に歯が移動することを確認してから抜歯へ進む治療計画としました。
治療初期の経過
治療開始後約3ヶ月間は前歯の移動を確認し、問題なく歯が動くことが確認できました。
これによりアンキローシスの可能性が低いと判断し、小臼歯抜歯へと治療を進めました。
アンカースクリューを用いた治療
小臼歯抜歯後は、上顎正中口蓋縫合部にアンカースクリューを植立し、大臼歯を固定したうえで前歯部の牽引を開始しました。
これにより奥歯の不要な移動を防ぎながら、効率的に前歯を後方へ移動させることが可能となります。
治療の経過
抜歯後は約1年でスペースを閉鎖し、その後は歯根の平行性を整えるルートパラレリング、噛み合わせを整える咬合の緊密化、上下の歯の中心を整える正中補正などのディテーリングを行いました。
治療結果
治療期間は2年2ヶ月でした。
前歯の突出感は改善し、前歯でしっかり噛める噛み合わせとなりました。
歯列のがたつきも整い、見た目と機能の両方が改善されました。
治療概要
年齢:28歳
性別:女性
お住まい:大阪市
主訴:出っ歯
診断:上顎前突・叢生・過大オーバージェット
治療方法:上下小臼歯抜歯矯正
補助装置:アンカースクリュー(正中口蓋)
治療期間:2年2ヶ月
矯正治療の主なリスク・副作用
歯の移動に伴い痛みや違和感が生じることがあります。
歯根吸収や歯肉退縮が生じる可能性があります。
外傷歯の場合、歯の動きに制限が出る可能性があります。
装置装着中は虫歯や歯周病のリスクが高くなるため適切な口腔ケアが必要です。
保定装置を使用しない場合、後戻りが生じる可能性があります。
費用
治療費
総額148万円(税込)
※分割払いをご利用いただけます(120回払い:月々約15,270円)