前歯の欠損部をインプラントを用いずにスペース閉鎖を行った症例(22歳女性)
患者様について
22歳・大阪市在住の歯科衛生士の患者様です。
前歯の欠損に対する治療についてご相談でご来院されました。
治療期間:1年3ヶ月

谷木院長による症例解説
初診時の状態
右上1番は事故により脱臼しており、さらに左上1番は歯根破折により保存が困難な状態でした。
そのため、上顎前歯部には2歯分の欠損スペース(約14mm)が存在していました。
一般的にはデンタルインプラントやブリッジなどの補綴治療が選択されるケースですが、骨量の問題やメンテナンス面を考慮し、患者様は矯正治療によるスペース閉鎖をご希望されました。
装置について
審美性を考慮し、上顎は裏側・下顎は表側に装置を装着するハーフリンガル矯正を選択しました。
診断と治療計画
上顎の欠損部には側切歯(2番)を近心移動させて前歯として配列し、スペースを閉鎖する治療計画としました。
また、上下の歯数バランスを整えるため、下顎左右の小臼歯(4番)を抜歯しました。
上顎の欠損スペースは約14mmと大きく、歯を長距離移動させる必要があるため、歯の傾斜(ティッピング)が生じる可能性について事前にご説明し、ご理解いただいた上で治療を開始しました。
治療中の工夫
上顎前歯部には人工歯(ダミー)を装着し、見た目を保ちながら治療を進めました。
スペースは毎月約1mmずつ段階的に縮小し、まず2歯分のスペースを1歯分に集約、その後さらにスペースを閉鎖していきました。
人工歯の本数も治療の進行に合わせて調整することで、審美性と治療効率の両立を図りました。
治療の経過
上顎の治療開始から約3ヶ月後に下顎の治療を開始しました。
治療開始後、約1年でスペースの閉鎖を行い、その後約3ヶ月間のディテーリングを実施しました。
治療結果
治療期間は1年3ヶ月でした。
前歯部の欠損スペースは閉鎖され、機能的かつ審美的に自然な歯列を獲得しました。
補綴治療を行わず、ご自身の歯のみで咬合を再構築することができました。
治療概要
年齢:22歳
性別:女性
お住まい:大阪市
主訴:前歯の欠損
診断:上顎前歯欠損(外傷・歯根破折)
装置:ハーフリンガル矯正
治療方法:スペース閉鎖・下顎小臼歯抜歯
通院頻度:1ヶ月に1回
治療期間:1年3ヶ月
矯正治療の主なリスク・副作用
歯の移動に伴い痛みや違和感が生じることがあります。
歯根吸収や歯肉退縮が生じる可能性があります。
歯の長距離移動により歯の傾斜や歯周組織への負担が生じる場合があります。
装置装着中は虫歯や歯周病のリスクが高くなるため適切な口腔ケアが必要です。
保定装置を使用しない場合、後戻りが生じる可能性があります。
費用
治療費
総額132万円(税込)
※分割払いをご利用いただけます(月々約13,400円から)