非抜歯で歯列を拡大し叢生を改善したハーフリンガル矯正治療(34歳会社員)
患者様について
34歳3ヶ月・大阪市在住の会社員の患者様です。
「歯並びのがたつきが気になる」とのことでご来院されました。
治療期間:1年3ヶ月

谷木院長による症例解説
初診時の歯並びの状態
口腔内所見では、骨格性Cl.Ⅰ(骨格的には標準)、Angle Cl.Ⅱ(上顎大臼歯近心位)が認められました。
横顔はストレートタイプでEラインも良好であり、口元の突出感は認められませんでした。
上下顎ともに約5mmのアーチレングスディスクレパンシー(歯が並ぶスペース不足)が認められましたが、犬歯から大臼歯にかけて舌側へ傾斜していたため歯列幅径が狭窄しており、歯列を適切に拡大することで十分なスペースを確保できると判断しました。
診断と治療計画
横顔のバランスが良好であったことから、抜歯による口元の変化を避けるため、非抜歯矯正を選択しました。
叢生を非抜歯で改善する場合は、歯を歯槽骨の範囲内で安全に移動させることが重要です。
そのため本症例では、CTで歯槽骨の幅(ボーンハウジング)を確認し、さらに治療シミュレーションで歯根位置を評価することで、歯肉退縮や後戻りのリスクをできる限り抑えた治療計画を立案しました。
装置について
矯正装置にはハーフリンガル矯正装置を使用しました。
上顎は裏側矯正、下顎は表側矯正とすることで、審美性と治療効率を両立しています。
アンカースクリューを用いた治療
治療開始から約3ヶ月間はレベリングを行い、歯列の重なりを改善しました。
その後、上顎正中口蓋縫合部に歯科矯正用アンカースクリュー(i-station)を2本植立し、固定源として上顎大臼歯の遠心移動を開始しました。
上顎大臼歯を後方へ移動させることで歯列全体のスペースを確保し、非抜歯のまま叢生を改善しました。
治療の経過
治療開始から約1年で臼歯関係は改善し、その後約3ヶ月間かけて咬合の緊密化や歯根の平行性の調整など、ディテーリングを行いました。
治療結果
治療期間は1年3ヶ月でした。
非抜歯で歯列の重なりを改善し、自然な口元を維持したまま機能的・審美的に良好な歯並びと咬み合わせを獲得することができました。
治療概要
年齢:34歳3ヶ月
お住まい:大阪市
主訴:歯並びのがたつき
診断:骨格性Cl.Ⅰ・Angle Cl.Ⅱ・叢生・歯列狭窄
装置:ハーフリンガル矯正
治療方法:非抜歯矯正
補助装置:歯科矯正用アンカースクリュー(i-station)2本
治療期間:1年3ヶ月
矯正治療の主なリスク・副作用
歯の移動に伴い痛みや違和感が生じることがあります。
歯根吸収や歯肉退縮が生じる可能性があります。
非抜歯による歯列拡大では歯槽骨の範囲を超えて歯を移動させると歯肉退縮を生じる可能性があります。
アンカースクリュー周囲に炎症が生じる場合があります。
装置装着中は虫歯や歯周病のリスクが高くなるため適切な口腔ケアが必要です。
保定装置を使用しない場合、後戻りが生じる可能性があります。
費用
治療費
総額143万円(税込)
※分割払いをご利用いただけます(120回払い:月々14,614円)