全顎矯正

上記は、近年治療した全体矯正500症例を対象にしたデータです。約85%の方が治療期間2年前後です。
歯列矯正は、美しい歯並びと正しい咬み合わせを得るための大切な治療ですが、治療期間が長くなることが課題の一つです。そのため、当院ではできるだけ短期間で効果的な治療を行うために、様々な工夫を取り入れています。
ワイヤーと装置の摩擦抵抗が少なく歯の移動を早めるセルフライゲーションブラケットの使用、動かしたくない歯を固定して反作用を抑えるアンカースクリューの活用、そしてマウスピース矯正に部分的なワイヤー矯正装置を併用することで、効率的に歯を動かし治療期間を短縮する取り組みを行っています。
2年前後の治療期間長いと感じられるかもしれませんが、ほとんどのケースで前歯の重なりや歯と歯の隙間は初期の段階(1年以内)で改善されます。
残りの期間は奥歯の咬み合わせや細かい段差の調整、歯の根の向きを平行にする治療となります。
単純な歯並びだけではなく、咬み合わせ、口元の印象、治療後の安定性など仕上がりの良さを追求し、「できるだけ早く、美しく」を目指した矯正治療を行っております。。
治療期間の変動要素として上げられるのは、大きく以下の4つです。
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- 年齢
- 20代、30代の方であれば、代謝が良く歯の動きが良いため、治療が早く終わる傾向があります。ただし40代、50代、60代の方で治療期間が短かった例もあり個人差はあります。
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- 歯の重なりの大きさ
- 歯の重なりが小さく、歯と歯の段差が少ない場合には歯の移動量が小さいので治療期間は短いです。また歯の重なり(ガタガタ)が大きいケースで抜歯を行えば、抜歯した隙間に重なった歯が並びますので、抜歯が効果的に働き、治療が早く終わる傾向にあります。
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- 抜歯の有無
- 抜歯を行って口元を大きく下げる必要がある場合には治療期間が長くなる傾向にあります。
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- 協力度
- とりはずしのできるゴムかけやマウスピース型矯正装置の使用時間により治療期間が変わってくることがあります。
例外として重度の歯の重なりを抜歯なしで奥歯の後方移動により改善するケースや下あごの骨が左右にずれているケース、外傷などの理由で歯と骨が癒着して歯が動かないケースでは治療期間が長くなり、また反対に歯科矯正用アンカースクリューの併用で治療期間を大幅に短縮できるケースもあります。