すきっ歯と前歯の突出感を改善したマウスピース矯正治療(25歳女性)
患者様について
25歳・大阪市在住の会社員の女性患者様です。
「前歯のすきっ歯が気になる」「前歯が前に出ている感じがする」というお悩みでご来院されました。
治療期間:2年

谷木院長による症例解説
初診時の歯並びの状態
口腔内を拝見したところ、前歯の中央にすき間がある正中離開(すきっ歯)が認められました。
また下顎前歯には軽度の叢生(歯の重なり)があり、前歯の被さりが深い過蓋咬合(ディープバイト)の状態でした。
奥歯の噛み合わせは大臼歯関係Ⅱ級で、上下の噛み合わせの前後関係にもずれが認められました。
診断と治療計画
横顔のバランスを確認したところ、口元の突出感は強くなかったため歯を抜かない非抜歯矯正での治療を計画しました。
本症例では、上顎大臼歯を後方へ移動(遠心移動)させることで奥歯の噛み合わせを改善し、前歯のスペースを確保する治療方針としました。
また同時に前歯の圧下(歯をわずかに歯槽骨内へ沈める移動)を行い、ディープバイトの改善も行う計画としました。
装置について
患者様はできるだけ目立たない矯正治療をご希望されていたため、装置にはマウスピース型矯正装置(インビザライン)を選択しました。
マウスピース矯正における治療上の工夫
マウスピース矯正では歯の上下方向(垂直方向)のコントロールが難しい場合があります。
特に過蓋咬合の症例やすきっ歯の症例では、治療中に噛み合わせがより深くなってしまう可能性があります。
また上顎大臼歯を遠心移動する場合、大臼歯が圧下してしまい、結果として噛み合わせがさらに深くなることがあります。
そのため本症例では治療初期から顎間ゴムを併用しました。
一般的な上顎犬歯から下顎大臼歯へかけるロングタイプではなく、上顎小臼歯から下顎大臼歯へかけるショートタイプの顎間ゴムを使用していただきました。
これにより上顎臼歯の圧下を防ぎながら、同時に下顎前歯を傾斜移動させることで相対的な圧下を得る治療計画としました。
治療の経過
治療開始から約6ヶ月で上顎前歯のすき間はほぼ閉鎖しました。
しかしこの時点ではショート顎間ゴムによる上顎歯列の遠心移動が十分ではなかったため、追加の補助装置としてカリエールディスタライザーを使用することになりました。
カリエールディスタライザーは上顎の犬歯(3番)から第一大臼歯(6番)に装着する装置で、奥歯を効率よく後方へ移動させるための補助装置です。
本症例では約3ヶ月間この装置を使用し、犬歯より後方の歯を遠心移動することで前歯部のスペースを十分に確保することができました。
その後は咬み合わせの緊密化や上下の正中の調整など、細かな仕上げの調整(ディテーリング)を行い治療を進めました。
治療結果
治療期間は約2年でした。
前歯のすき間はきれいに閉鎖され、前歯の突出感も改善しました。
また奥歯の噛み合わせも整い、見た目だけでなく機能的にも安定した歯並びを獲得することができました。
患者様コメント
「前歯のすき間がずっと気になっていましたが、きれいに閉じてとても嬉しいです。
目立たないマウスピース矯正で治療できたのも良かったです。」
治療概要
年齢:25歳
性別:女性
お住まい:大阪市
主訴:すきっ歯・前歯の突出感
診断:正中離開・過蓋咬合・下顎前歯叢生・大臼歯関係Ⅱ級
装置:マウスピース矯正(インビザライン)
補助装置:顎間ゴム・カリエールディスタライザー
治療方法:非抜歯矯正(上顎大臼歯遠心移動)
治療期間:約2年
通院頻度:1〜2ヶ月に1回
治療費:総額99万円(税込)
矯正治療の主なリスク・副作用
歯の移動に伴い痛みや違和感が生じることがあります。
歯根吸収や歯肉退縮が生じる可能性があります。
装置装着中は虫歯や歯周病のリスクが高くなるため適切な口腔ケアが必要です。
保定装置を使用しない場合、後戻りが生じる可能性があります。
費用
総額99万円(税込)
※分割払いをご利用いただけます(120回払い:月々約10,130円)