インビザラインのゴムかけが外れやすい・切れる原因
目次
1. インビザラインのゴムかけとは?役割と重要性

インビザライン治療における「ゴムかけ(顎間ゴム)」は、上下の噛み合わせを調整するための必須アイテム です。
- 出っ歯(上顎前突)
- 受け口(反対咬合)
- 開咬(前歯が閉じない)
- 上下の歯の中心のズレ改善
などに特に効果を発揮し、治療の仕上がりを大きく左右します。
しかし、「ゴムが外れる」「切れる」「かけにくい」というお悩みは非常に多く、適切な対処を知らないまま頑張ってしまい、ストレスになる患者さまも少なくありません。
そこで本記事では、その原因と改善策を詳しく解説します。
2. ゴムかけが「外れやすい」主な原因と対策

当院でも最も多く寄せられるご相談です。
外れる原因はいくつかあり、それぞれ対策が異なります。
原因①:プレシジョンカット(フック)、ボタンの位置がずれている・取れている
ゴムを引っ掛けるための
- プレシジョンカット(フック)
- クリアボタン、リンガルボタン
が取れていたり、変形して形が変わる、また歯が回転することでボタンの位置が変わったり縁に接着剤が流れ込んでいたりとかけたゴムが外れやすくなります。
▼ 対策
- フックが変形していないか鏡で確認
- ボタンがマウスピースに当たっている、接着剤が流れている場合は 再装着が必要
→ この場合は早めの来院が必要です。
原因②:アライナー(マウスピース)が浮いている
マウスピースのフィットが悪いと、ゴムの力でマウスピースが浮き上がり、ゴムが外れやすくなります。
▼ 対策
- 1日20時間以上の装着を維持
- 「チューイー」を使ってしっかり噛み込む
- アライナーの装着順と装着日数の指示を守る
フィット不良は治療計画全体に影響し、顎間ゴムの外れやすさの原因にもなります。
原因③:ゴムのかけ方に慣れていない
フックやボタンにゴムがしっかりとかかっていないと外れやすくなります。
▼ 対策
- ゴムがボタンの溝やアライナーのフックにしっかりと入っているか再確認
- 不安なときは当院で再度レクチャー
原因④:ゴムが古い・伸びている
ゴムは時間とともに伸び、保持力が落ちて外れやすくなります。
▼ 対策
- 食後の歯磨き後は毎回新しいゴムに交換
- 1日1〜3回の交換が目安
原因⑤:口を大きく開けるクセがある
大きめのあくびや会話のクセでゴムが外れたり切れやすいことも。
▼ 対策
- 口を過度に開けないようにする
- 頻繁に外れたり切れたりする場合はゴムの強さ変更が必要なことも
3. ゴムが「切れやすい」時に考えられる原因と改善ポイント
「切れるのは自分の使い方が悪いのですか?」
という質問もよくいただきます。
実は原因の多くは、患者さまではなく ゴムの状態や強度の問題 です。
原因①:ゴムの劣化(湿気・長時間使用)
ゴムは水分と温度変化に弱く、長時間使用すると切れやすくなります。
▼ 対策
- ゴムの保管は急激な温度変化のある場所を避ける。
- 食後は必ず新しいゴムに交換
- 1日1回ではなく、”1日複数回”交換するのが前提
原因②:噛み合わせによってゴムが噛み切られている
特に、
- 上下の中心のずれ
- 上下の奥歯の幅の不一致のケース
の改善で使用するゴムは歯の裏側から表側にかけることがあり、ゴムが咬合面を横切るため、ゴムを噛み切ってしまう場合があります。
▼ 対策
- ゴムの強さ・サイズ・種類を変更することで改善
(医院側の調整が必要)
原因③:ボタンの変形や摩耗
ゴムを引っ掛ける器具が変形して、鋭利な箇所ができることでゴムが切れやすくなります。
▼ 対策
- ボタンの研磨
- ボタンの交換
原因④:爪で強く引っ張ってしまう
ゴムを伸ばしながら強く引っ張るクセがあると、切れやすい原因になります。
▼ 対策
- ゴムかけ専用の「スティック」や「ピック」を使用
当院でご用意がありますので、お申しつけください。
4. よくあるお悩み③:ゴムがうまくかけられない
初めての頃に特に多いお悩みです。
▼ 対策まとめ
- しっかりかかっているか、鏡で確認
- スマホで自分の口腔内を撮影し、場所を記録する
- ゴムかけ専用ツールの使用
- 最初は片側ずつ慎重に装着
慣れると、ほとんどの方が 数秒で装着できるレベル に上達します。
5. それでも改善しない場合は?受診が必要なケース

以下に当てはまる場合、自己判断せずご連絡ください。
- ゴムをかけても数分で外れてしまう
- 毎日複数回ゴムが切れる
- アタッチメントが取れている
- アライナーが浮いている
- 痛みが強く、生活に支障が出る
インビザラインは「計画通り」に進めることが治療成功のポイントです。
気になる点があれば、当院までお気軽にご相談ください。
6. まとめ|正しいゴムかけで治療をスムーズに進めましょう

ゴムかけは、治療期間・仕上がり・噛み合わせの精度 に大きく影響する大切な工程です。
- 外れやすい
- 切れやすい
- かけにくい
といったトラブルは珍しくありませんが、原因を知って正しく対処すれば、スムーズに継続できます。
不安なときは無理に続けず、当院にご相談ください。
あなたの治療に最適な方法をご提案いたします。