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「気になる前歯だけ」治したい!部分矯正はどんな人におすすめ?
以前マウスピース型装置での部分的な治療について書かせていただきましたが、今回は「部分矯正」全般についてご説明したいと思います。
私が以前、マウスピース型装置(インビザライン)のセミナーに初めて参加した時、銀座の著名な先生が「自院の患者さんの2、3割が歯列矯正経験者だ」とおっしゃっていました。これは、1度治療を受けたけれど、後戻りしてしまったか、噛み合わせに大きな問題はないが、前歯の少しのガタつきが気になる方や、全体的な矯正に費用や期間の面で不安を感じている方が一定数いらっしゃるということです。このような場合に「部分矯正」という選択肢があれば、治療範囲が限定されるため、症例によっては比較的短期間・低コストでの対応が可能な場合もあります(※自由診療です)。完璧な噛み合わせを目指す全体矯正とは異なりますが、症例やご希望に応じて対応可能なケースもあります。
部分矯正が難しいケースとは?「噛み合わせの深さ」がポイント
部分矯正は多くの方に対応できますが、適用が難しくなるケースもあります。その一つが「噛み合わせが深い」場合です。噛み合わせが深いとは、上の前歯が下の前歯に大きく被さっている状態のことです。下の歯がほとんど見えないくらい深いと、上の前歯の「裏側」に装置を取り付けた際に、噛んだ時に下の前歯が装置にぶつかってしまいます。全体的な矯正であれば、奥歯に高さを出すための材料を付けて対応できるのですが、前歯だけを動かす部分矯正では奥歯の噛み合わせを大きく変えられません。
マウスピース型装置という選択肢
では、噛み合わせが深い場合は部分矯正を諦めるしかないのでしょうか?このようなケースでは「マウスピース型装置」を選択します。マウスピース矯正は歯の裏側に装置を付けないため、噛み合わせの深さに関係なく治療を進めることが可能です。
マウスピース型装置で部分矯正をする条件は、規定の枚数(1装置で歯が約0.25mm動きます)で気になる歯並びが改善できること、装置が透明とはいえ、多少は見えることをご納得いただけることとなります。このように、従来の裏側の装置とマウスピース型装置(インビザライン・薬機法対象外)を適切に使い分けることで、症例や装置の種類によっては、目立ちにくい矯正方法を選択できるケースもあります(※治療効果には個人差があります)。
費用負担に配慮した切り替え制度もご用意しています
当院では、ご希望に応じて、部分矯正から全体矯正へのスムーズな切り替えに対応した制度もございます。「いきなり全体矯正を始めるのは不安…」という場合には、まずは部分矯正を体験し、その後で全体矯正へと移行することも可能です。こちらの制度にご興味のある方は、どうぞお気軽にお尋ねください。
※マウスピース型矯正装置(インビザライン)は国内未承認医療機器です。医師の判断により個人輸入し、当院の責任において使用しております。国内においては同等の性能を有する医療機器が承認されています。治療の選択にあたっては、医師が適応を判断し、説明いたします。