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注射が苦手な方へ。実は、歯科医師も同じ気持ちです
先日、インフルエンザの予防接種を受けてきました。日々、患者さんに注射をする立場なのですが、いざ自分がされる側になると、どうしても緊張してしまいます。やはり針を刺す瞬間も怖いですし薬液が入ってくるときには思わず力が入ってしまうものです。この経験から、「やはり注射は、少しでも痛みが少ない方がいい」と改めて実感しました。当院では、そんな思いから麻酔の痛みを最小限に抑えるため、様々な工夫を凝らしています。
こだわり① 塗るのではなく「貼る」高濃度シール麻酔
まず、麻酔の前に「表面麻酔」を行います。一般的には軟膏タイプが多いですが、唾液で流れやすいという欠点があります。そこで当院では、高濃度の局所麻酔剤を含んだ透明のシールを採用しています。これを歯茎に貼り、5分ほどしっかりと時間を置くことで表面を麻痺させ、注射針を刺す「チクッ」とした痛みを軽減します。
こだわり② コンピュータ制御で「ゆっくり、一定に」注入
麻酔の痛みは、薬液を一気に注入することで細胞が急激に膨張し、圧迫されることでも生じます。人の手で注射をすると、どうしても力加減やスピードを完全に一定に保つことは困難です。当院では電動の麻酔器を使用し、コンピュータ制御によって麻酔液を常に一定の速度でゆっくりと注入します。これにより、圧迫による痛みを最小限に抑えます。
こだわり③ 髪の毛ほどの「極細の針」を使用
電動麻酔器を使うメリットは、注入速度のコントロールだけではありません。機械の力を借りることで、髪の毛1本分(直径約0.25mm)ほどの「33G」という極細の注射針を使用できます。予防接種でよく使われる針が25G(直径0.5mm)なので、その細かさがお分かりいただけるかと思います。針が細ければ細いほど、刺した時の痛みは少なくなります。
こだわり④ 最後のひと工夫「人肌に温めた麻酔液」
最後のもう一工夫として、麻酔の薬液をあらかじめ体温(人肌)と同じくらいに温めています。冷たい液体が体内に入ってくる際の刺激や違和感をなくす、細やかな配慮です。ここまで徹底することで、痛みを感じにくくなる方もいらっしゃいます(※痛みの感じ方には個人差があります)。
痛みが不安な方も、安心してご相談ください
当院では、主に矯正用インプラント(歯科矯正用アンカースクリュー)を設置する際に、この麻酔処置をしています。処置自体は5分程度で終わりますが、できるだけ患者さんのお痛みが少なくなるよう、麻酔にはじっくりと時間をかけています。「アンカースクリューが怖い」「麻酔が苦手」という方にもご安心いただける体制ですので、歯茎の麻酔にご不安がございましたら、お気軽にご相談ください。