妊娠中や更年期のデリケートな時期でも矯正はできる?女性専門医院だからできる、ホルモンバランスを考慮した治療計画

こんにちは。大阪市北区の医療法人梅田リンガル矯正歯科医院 大阪オルソです。
女性の体は、一生を通じて劇的に変化します。
月経周期による毎月の波はもちろん、結婚、妊娠、出産、そして閉経を迎える更年期……。それぞれのライフステージで、女性ホルモンのバランスは大きく変動し、それに伴って体調や心の状態も移ろいゆくものです。
当院は「女性専門」の矯正歯科医院として、日々多くの女性患者様と向き合っておりますが、カウンセリングで非常によくいただくご相談があります。
- 「これから妊活を考えているけれど、矯正とかぶっても大丈夫?」
- 「妊娠中に麻酔やレントゲンをして、赤ちゃんに影響はないの?」
- 「更年期で体調が不安定。骨も弱くなっている気がするけれど、矯正できる?」
結論から申し上げますと、妊娠中であっても、更年期の時期であっても、適切な管理と配慮を行えば、安全に矯正治療を行うことは十分に可能です。
むしろ、ご自身の体を労わり、これからの人生をより健康に美しく過ごすために、これらの時期に矯正をスタートされる方はたくさんいらっしゃいます。
今回は、女性特有のデリケートな時期における矯正治療について、医学的な観点と、当院ならではのサポート体制を交えて、詳しく解説いたします。
目次
1. 女性ホルモンと歯の動きの深い関係
そもそも、なぜ矯正治療において「ホルモンバランス」が重要視されるのでしょうか。
歯列矯正は、歯に力をかけることで、歯を支えている骨(歯槽骨)を「溶かす細胞(破骨細胞)」と「作る細胞(骨芽細胞)」の働きを利用して、歯を少しずつ移動させる治療です。
実は、この骨の代謝には、女性ホルモン(特にエストロゲン)が深く関わっています。
- 妊娠中: ホルモンの分泌量が急激に増え、歯肉の血流が変化したり、歯が動きやすくなったりすることがあります。
- 更年期: エストロゲンが減少することで、骨の密度が低下したり、骨の代謝スピードが緩やかになったりします。
このように、女性の体は時期によって「歯の動き方」や「お口の環境」が異なります。だからこそ、画一的な治療ではなく、その時々のホルモンバランスを考慮した、オーダーメイドの治療計画が必要不可欠なのです。
2. 妊娠中・妊活中の方へ|ママになる準備期間は、矯正の好機
「妊娠したら矯正は諦めなければならない」と思っている方も多いですが、実際はその逆です。
お仕事のペースが落ち着く産休・育休中は、誰にも会わずに装置に慣れることができるため、「マタニティ矯正」として非常に人気のあるタイミングです。
ただし、母子ともに安全に治療を進めるためには、正しい知識が必要です。
2-1. 赤ちゃんへの影響は?「レントゲン・麻酔・薬」の真実
妊婦様が最も心配されるのが、医療行為による赤ちゃんへの影響でしょう。
歯科用レントゲン:
歯科のレントゲン撮影による放射線量は極めて微量です。さらに、撮影時は鉛入りの防護エプロンを着用してお腹を覆うため、胎児への被曝量は限りなくゼロに近く、医学的に影響はないとされています。もちろん、妊娠の可能性がある場合は、必要最小限の撮影に留めるか、出産後まで延期するなどの配慮を行います。
歯科用麻酔:
抜歯などの際に使用する麻酔は「局所麻酔」です。薬液が作用するのは歯茎の周りだけで、お腹の赤ちゃんに届くことはありません。通常通り使用して問題ありませんが、ご不安な場合は安定期に入ってから行うなどの調整も可能です。
お薬(痛み止め・抗生剤):
お薬に関しては注意が必要です。当院では、妊娠中の方には原則として胎盤移行性のある薬剤の投薬を控えています。痛みが心配な場合は、産婦人科の主治医と連携し、妊婦様でも服用できる安全なお薬(カロナールなど)を確認した上で処方いたします。
2-2. 妊娠中のトラブル(1)「つわり」にはどう対応する?

妊娠初期の「つわり」の時期は、お口の中に器具が入るだけで気持ち悪くなってしまうことがあります。
型取りの工夫:
当院では、従来の粘土のような材料を使った型取りはほとんどなく、「3D口腔内スキャナー(iTeroなど)」を導入しています。小型のカメラでお口の中をスキャンするだけなので、吐き気を催すことはほとんどありません。
来院ペースの調整:
つわりがひどい時期は、無理に通院する必要はありません。「今日は体調が悪いので予約を変更したい」といったご連絡も、遠慮なくお申し付けください。装置の調整を一時中断し、体調が落ち着くまで待つのも立派な治療計画の一つです。
2-3. 妊娠中のトラブル(2)「妊娠性歯肉炎」のリスク管理
妊娠中は、女性ホルモン(プロゲステロン)の増加により、歯周病菌が活発になりやすく、歯茎が腫れて出血しやすくなる「妊娠性歯肉炎」のリスクが高まります。
さらに、つわりで歯磨きが十分にできないことも重なり、お口の環境が悪化しやすい時期です。
当院では、矯正の調整だけでなく、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアを重点的に行います。ご自身で磨けない部分はプロの手で優しく清掃し、清潔な環境を保つことで、早産や低体重児出産のリスクとされる歯周病の悪化を防ぎます。
2-4. 産休・育休を利用した「マタニティ矯正」のメリット
妊娠中は大変なこともありますが、矯正治療においてはメリットも多々あります。
- 人に会う機会が減る: 装置の見た目を気にせず過ごせます。
- 通院の時間が作りやすい: 仕事が忙しくて通えなかった方も、平日の日中にゆとりを持って通院いただけます。
- 社会復帰に合わせてゴール: 育休が明けて職場に戻る頃には、歯並びが整い、最高の笑顔で再スタートを切ることができます。
2-5. 妊娠中・授乳中の歯列矯正治療とホルモン変化についての論文
妊娠中や授乳中の女性は、ホルモンが大きく変化する時期です。そうしたホルモンの変化が歯列矯正治療にどのような影響を与えるのか、また逆に矯正治療がホルモンにどう影響するのかを研究した論文があります。
妊娠中、エストロゲンは通常の10倍、プロゲステロンは30倍に増加します。これらのホルモンは、歯を支える骨や歯周組織に大きく影響します。
- エストロゲンは、歯を支える組織の細胞の増殖を促し、骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きを抑える効果があります。
- プロゲステロンは、歯ぐきの炎症反応を調整し、歯周病が悪化しにくくする働きがあります。
研究によると、妊娠中は歯の動く速度が変化する可能性がありますが、研究結果は意見が分かれています。
授乳中は、プロラクチン(母乳分泌を促すホルモン)が増加し、エストロゲンが減少します。この時期の特徴は骨密度が低下しやすくなり、歯が動きやすくなる可能性があります。したがって反作用を抑えるための矯正装置の固定源(アンカー)管理がより重要になります。ただし、授乳中に矯正力をかけても、エストロゲンがわずかに増加して骨を保護する働きがあることも分かっています。
妊娠中は「妊娠性歯肉炎」になりやすく、35〜100%の妊婦さんが経験します。これはホルモンの影響で歯ぐきの血管が広がり、炎症が起きやすくなるためです。矯正装置があると歯磨きが難しくなり、さらに悪化する可能性があります。
以上のことからこの研究によると、妊娠中や授乳中でも矯正治療は可能ですが、以下の点に注意が必要です。
- ホルモン変化により歯の動き方が変わる可能性がある
- 口腔衛生管理をより徹底する必要がある
- 定期的な経過観察と、必要に応じた治療計画の調整が大切
矯正力をかけることでホルモンレベルに変化が生じますが、母体や胎児に悪影響はないと報告されています。
妊娠を予定している方、または妊娠中・授乳中に矯正治療を検討している方は、歯科医師とよく相談して、個々の状況に応じた最適な治療計画を立てることが重要です。
出典:
Zhao Y, Qian S, Zheng Z, Peng J, Liu J, Guan X, Liao C. Consideration of hormonal changes for orthodontic treatment during pregnancy and lactation – a review. Reproductive Biology and Endocrinology. 2024 Aug 20;22:106.
DOI: 10.1186/s12958-024-01281-z
PMID: 39164703
https://rbej.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12958-024-01281-z
3. 更年期・ゆらぎ世代の方へ|人生後半を輝かせるための矯正治療
40代・50代の「更年期(ゆらぎ世代)」にあたる女性からのご相談も急増しています。子育てがひと段落し、「これからは自分のために時間とお金を使いたい」と来院されるお姿は、とても輝いています。
3-1. 「もう遅い」はない。40代・50代からの矯正が増えている理由
「この歳で矯正なんて恥ずかしい」「今さらやっても変わらないのでは?」
そう思われる必要は全くありません。歯と歯茎が健康であれば、矯正治療に年齢制限はないのです。
むしろ、年齢を重ねると歯茎が痩せて歯並びが悪化したり、噛み合わせのズレから全身の不調に繋がったりすることがあります。この時期に歯並びを整えることは、見た目の美しさだけでなく、将来の「健康寿命」を延ばすための投資といえます。
3-2. 骨密度の低下やホルモン減少に合わせた「優しい力」

更年期以降は、エストロゲンの減少により、骨密度が低下しやすくなります(骨粗鬆症のリスク)。若い頃と同じような強い力で歯を動かすと、歯の根っこが短くなったり、歯茎が下がったりするリスクがあります。
そこで当院が重視しているのが、「大人のための優しい矯正」です。
特に、当院が専門とする「裏側矯正(リンガル矯正)」は、固定源となる奥歯が動きにくく、またセルフライゲーションブラケットを使用することと、ヒートアクチベイティングニッケルチタンワイヤーを用いることで、歯に加わる力が非常にマイルドであるという特徴があります。
骨の代謝スピードに合わせて、弱く持続的な力をかけることで、歯周組織へのダメージを最小限に抑えながら、安全に歯を動かすことが可能です。
3-3. 歯周病リスクが高まる時期だからこその「徹底管理」
更年期は、お口の中が乾燥しやすくなる「ドライマウス」の症状が出やすく、唾液による自浄作用が低下するため、歯周病が進行しやすい時期でもあります。
歯周病がある状態で無理に矯正をすると、歯が抜けてしまう原因になりかねません。
当院では、治療開始前に歯周組織の精密検査を行い、必要であれば先に歯周病の治療を行います。そして矯正中も、常に歯茎の状態をモニタリングし、組織を守りながら慎重に治療を進めます。
3-4. 不定愁訴(イライラ・ほてり)がある時の通院ペース
更年期特有の「ホットフラッシュ(ほてり)」や「イライラ」「動悸」「めまい」などの不定愁訴により、長時間お口を開けているのが辛い日もあるかと思います。
当院は女性専門ですので、そういったお体の辛さを深く理解しています。
「今日はホットフラッシュが辛いので、冷房を強めにしてほしい」「治療中に休憩を挟んでほしい」といったご要望にも、スタッフ全員が細やかに対応いたします。安心してお任せください。
3-5. 閉経前と閉経後の女性の歯列矯正治療についての研究
歯列矯正では、歯に力をかけて少しずつ動かしていきます。この時、歯を支えている骨では様々な変化が起こります。女性は閉経によってホルモンバランスが大きく変わるため、「閉経前後の女性は矯正治療の効果が違うのでは?」という疑問がありました。
この研究では、閉経前の女性25名と閉経後の女性25名を比較して、矯正装置で歯に力をかけた時に、歯ぐきの溝にある液体(歯肉溝滲出液)の中の骨に関係する物質がどう変化するかを調べました。
矯正装置を装着する前と、装着して24時間後に測定した結果、閉経前の女性と閉経後の女性で、骨に関係する物質の変化に大きな違いはありませんでした。つまり閉経前の女性でも閉経後の女性でも、歯列矯正治療は同じように安全に受けられるということです。年齢のことは気にせずに矯正治療を受けられるということを示す、研究結果と言えます。
出典:
Bitra A, Rani BJ, Agarkar SS, Parihar AS, Vynath GP, Grover S. Gingival Crevicular Fluid Turnover Markers in Premenopausal vs Postmenopausal Women receiving Orthodontic Treatment. J Contemp Dent Pract. 2017 Oct 1;18(10):933-936.
PubMed ID: 28989133
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28989133/
4. 「女性専門医院」だからできる、心と体に寄り添う5つの配慮
一般の歯科医院では、女性特有の悩みを相談しにくいこともあるかもしれません。しかし、医療法人梅田リンガル矯正歯科医院 大阪オルソは、患者様もスタッフも女性中心の空間です。
- 全員女性スタッフの安心感
生理痛、妊娠中の不快感、更年期の辛さなど、言葉にしなくても伝わる共感があります。体調不良による当日のキャンセルや予約変更にも、柔軟に対応いたします。 - プライバシーへの配慮
「すっぴんで来院したい」「治療後にお化粧直しをしたい」という女性のために、アメニティの充実したパウダーコーナーを完備しています。 - 温度管理と環境
寒がりな方、暑がりな方、それぞれの体感に合わせてブランケットの貸し出しや空調調整をこまめに行います。 - ライフスタイルに合わせた治療計画
「結婚式までに」「出産までに」といった期限のあるゴール設定や、忙しい時期の治療中断(保定)など、女性のライフイベントに合わせたプランニングを行います。 - エイジングケア視点の矯正
単に歯を並べるだけでなく、法令線や口元のたるみ、Eライン(横顔)の美しさなど、年齢に応じた「美の基準」を共有し、若々しい口元を目指します。
5. まとめ|ライフステージが変わっても、美しさを諦めないで

女性の体はデリケートで、常に変化し続けています。
しかし、妊娠中だから、更年期だからといって、「美しくなりたい」「健康になりたい」という想いを諦める必要はどこにもありません。
大切なのは、「今の自分の体の状態を正しく知り、それに合わせた無理のない方法を選ぶこと」です。
当院は、ただ歯を並べるだけの場所ではありません。女性の人生の節目節目に寄り添い、お口の健康を通じて、あなたが自信を持って輝けるようサポートするパートナーでありたいと願っています。
「私の年齢でも大丈夫?」「妊活中だけど、どう進めるのがベスト?」
そのような疑問や不安をお持ちの方は、ぜひ一度、当院の初診カウンセリングにお越しください。
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