院長ブログ

開咬(オープンバイト)の矯正にかかる費用|歯列矯正に保険は適用できる?

開咬は顔全体の印象も変えてしまうので、歯列矯正で改善を検討している方も多いでしょう。
しかし、歯列矯正は費用が高額になりがちです。

そのため「矯正治療って高いんでしょ?」「安くする方法がないかな」と費用面で負担に感じる方も少なくありません。
生活の質を向上させるための矯正治療の支払いで、生活が苦しくなってしまっては本末転倒でしょう。

そこで今回は、開咬の矯正治療にかかる費用について解説します。
健康保険の適用についてもあわせて解説するので、開咬でお悩みの方、歯列矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。

開咬(オープンバイト)の矯正費用は?

開咬を改善する矯正治療にかかる費用は症状や手術の有無、矯正方法によって費用が異なります。
歯列矯正は、歯列は歯を動かし見た目や噛み合わせを改善し、健康的で機能的な歯並びにすることを目的としています。
そのため、症例によっては、矯正装置の他にも外科手術が必要になることもあるでしょう。

また、医院の方針や地域によっても費用や治療内容に差が見られるため、複数の医院でカウンセリングを受けるなどして、自分に合った医院を選ぶことが大切です。

開咬(オープンバイト)の矯正は保険適用される?

矯正治療は、基本的には健康保険が適用されない自由診療です。
しかし、生まれつき顎の骨に異常がある顎変形症などと診断された場合は、特定の医院で治療を受けることによって健康保険が適用されるケースがあります。
開咬は健康保険が適用されるケースもあるため、くわしい内容は歯科医院で医師へ確認してみましょう。

開咬(オープンバイト)とは?

そもそも開咬とは、噛み合わせたときに奥歯のみが噛み合って前歯が噛み合わない(隙間ができる)状態の噛み合わせのことです。
歯科では「オープンバイト」とも呼ばれています。
開咬は見た目の問題だけでなく、前歯で食べ物が噛み切れないため、麺類などを噛まずに丸のみしてしまう方も少なくありません。
前歯で噛み切れないと、奥歯に負担がかかりすぎてしまい、顎の筋肉や関節に影響をおよぼすことも考えられます。

開咬(オープンバイト)の3つの矯正方法

開咬は歯列矯正で改善される噛み合わせですが、単に前歯を噛み合わせるだけではなく、原因や顎の形態によってどの方法が最適であるか判断することが重要です。
最適な治療方法で受けるためには、治療前に複数の医院でカウンセリングを受けたり、治療が始まっている場合に疑問を感じた時にはセカンドオピニオンを利用したりするのが望ましいでしょう。

開咬を改善させる治療方法には、以下のような3つが挙げられます。

  • 前歯を伸ばす方法
  • 顎の骨の位置を動かす方法
  • 奥歯を圧下する方法

ここでは、手術の有無に分けてそれぞれの治療方法についてくわしく解説します。
治療にかかる期間や費用についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

【手術なし】前歯を伸ばす方法

噛み合っていない上下の前歯を矯正治療で挺出(伸ばす)して噛み合わせる方法があります。
上下の歯に装置を取り付けて、きちんと噛み合うように歯を動かしていきます。
顎間ゴムを併用することで、スムーズな治療が可能です。

しかし、治療で整えたあとも、舌癖(舌で歯を押す癖)が改善されていなければ再び歯列が乱れてしまいます。
そのため、歯列矯正と同時にMMFT(舌癖改善のトレーニング)を受ける必要がある場合もあるでしょう。
裏側矯正であれば歯の裏側に装置が付くため、装置の違和感から舌で歯を押さなくなり、開咬の改善と同時に舌癖を減らす効果が期待できるでしょう。

歯列矯正にかかる期間は後戻りを防ぐ保定期間も含めて4年ほどで、費用は開咬の程度によって60~180万円ほどです。
装置の種類や組み合わせによって費用が異なるため、予算や症例にあわせた装置を選ぶとよいでしょう。

【外科手術あり】顎の骨の位置を動かす方法

開咬の治療方法には顎の骨を切って前歯が噛み合う位置で骨を固定する方法があります。
下顎が大きく成長しすぎている場合もあれば、上顎が下方向へ過剰に成長している場合もあります。
症例にあわせた適切な方法で骨を切り落とし、上下の骨格のバランスを取ることによって噛み合わせの改善を図ります。

ただし、全身麻酔をして顎の骨を切り取る大がかりな手術と長期の入院が必要になるため、外科手術や入院に抵抗のある方は選択が難しい治療といえます。
また、持病や服用している薬によって手術が受けられないケースもあります。
基礎疾患などで他の医院へかかっている場合は、歯科医院へしっかり伝えておきましょう。

外科手術自体は数時間程度ですが、その前後の矯正治療にそれぞれ2年ほどかかります。
顎変形症などと診断された場合は、健康保険が適用されるので3割負担で60~100万円程度、適用されない場合は全額自己負担で180~300万円ほどかかります。

【小手術あり】奥歯を圧下する方法

前歯を伸ばす方法では十分な改善が見込めない場合、お仕事などの理由で外科手術を選択できない場合には奥歯を圧下させて上下の前歯を近づける方法があります。
また、症例によっては前歯の挺出と奥歯の圧下を同時に行うこともあります。
奥歯の圧下ではマウスピース矯正や歯科用アンカースクリューの使用が有効といわれています。

顎骨が薄くアンカースクリューが打てないケースもあるため、どの方法が最適か、医師とよく相談して決めるようにしましょう。

アンカースクリュー埋入にかかる期間は10分ほどで、矯正治療は保定観察も含めると4年ほどかかります。
費用は表側からのワイヤー矯正やマウスピース矯正では80~100万円、上下とも裏側からワイヤー矯正の場合には130~160万円ほど必要でしょう。

開咬(オープンバイト)の矯正にかかる費用を安くする方法

開咬を改善させる矯正治療は、高額の費用がかかってしまうため、少しでも安く抑えたいと感じる方が多いでしょう。

矯正治療を安く抑えるには、以下のポイントをチェックしてみましょう。

  • 部分矯正で治療可能か相談する
  • 医療費控除の対象になるか確認する
  • 治療が長引かないように歯科医師の指示を守る

では、適切な価格で治療を受けながら、費用を抑える方法をくわしく紹介します。
自分の予算や支払い方法などに応じて、実行できそうな方法を選んでみましょう。

①部分矯正で治療可能か相談する

開咬の治療は、基本的に全体矯正で行うことが多く、外科手術をともなうケースも少なくありません。
しかし、症例によっては部分矯正で治療が可能なケースもあります。
部分矯正とは、全体矯正の技術を応用して、気になる部分だけに限定して行う矯正方法です。
全体矯正に比べて治療期間や費用を抑えられるので、適応できる症例かどうか、相談してみる方法もあります。

ただし、部分矯正はある程度の改善は見込めるものの、理想的な噛み合わせにすることは難しいケースがあります。
比較的軽度な症例にしか適応されないので、医師とよく相談してから決めるようにしましょう。
最初は部分矯正で治療してみて、結果を見てから全体矯正に切り替える方法もあります。

②医療費控除の対象になるか確認する

医療費控除とは、一年間に支払った治療費が10万円を超える場合(総所得が200万円未満は総所得の5%)、確定申告を行うと支払った税金の一部が還付される制度です。
審美的な改善を目的とした歯列矯正は医療費控除の対象になりませんが、噛み合わせの改善など治療を目的とした歯列矯正は医療費控除の対象です。

また、実際に支払った治療費だけでなく、通院にかかった交通費や診察代、処方された薬代なども含まれ、生計をともにしている家族の医療費とまとめて申請が可能です。
領収書がでない交通費などは、忘れないように日付や金額を記載したメモを残しておくようにしましょう。

さらに、家族の中で最も総所得が多い方が申告を行うと、還付される金額が最も大きくなります。
申告から約1ヶ月後には支払った税金が戻ってくるお得な制度なので、必要書類などくわしい内容を国税庁のホームページで確認して申告するようにしましょう。

③治療が長引かないように歯科医師の指示を守る

矯正治療がはじまると、医師の指示をよく守って過ごすことが大切です。
矯正装置が付いている間は汚れがたまったり、だ液の自浄作用を受けにくかったりと、口腔内の環境が変化します。
これまでと同じような生活をしていると虫歯や歯周病のリスクが高くなるため、丁寧なケアを心がける必要があります。

また、取り外し可能なマウスピース矯正では、装着時間が短いと治療が長引いてしまいます。
治療が長引くとその分交通費や調整量がかかってしまうので、スムーズに進めるためにも、医師の指示はきちんと守ることが大切です。

また、仕事や学業などでどうしても通院できない期間がある場合は、前もって伝えておくことで、治療に影響がでないよう対応してもらえます。
小さなことでも気軽に相談できるよう、日ごろから医師とコミュニケーションを取っておくと安心でしょう。

まとめ

開咬にかかる矯正治療の費用や、治療方法について解説しました。
歯列矯正や外科手術にかかる費用は、気軽に受けられるような金額ではありませんが、ある程度安く抑える方法もあることがわかりました。
費用面を気にするあまり、安売りしている医院を選ぶ方も多いですが、自分の症例に最適な治療計画を提案してくれる医院を選ぶことが大切です。

大阪オルソは、女性専用の医院です。
診療は個室で、周りの目を気にすることなくリラックスして診療を受けていただける空間です。
もちろん器具の滅菌など感染予防対策もしっかりと行っているため院内感染が気になる方でも来院しやすい環境を整えております。
開咬症例の治療実績も豊富ですので開咬でお悩みの方、長く通える歯科医院をお探しの方は、大阪オルソへお気軽にご相談くださいませ。

著者:谷木俊夫

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