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すべての治療の土台。精密な「歯型採り」が重要な理由
歯科医院で、ほぼ必ずと言っていいほど行われるのが「歯型取り」です。一般歯科では詰め物・被せ物・入れ歯を作るために、そして矯正歯科では治療方針を決めたり、装置を作ったりするために、この歯型がすべての基本となります。
歯型を採る材料には、実は様々な種類があります。皆様がよく経験されるピンク色の冷たい粘土のようなものは「アルジネート」という最も一般的な材料です。矯正治療では、このアルジネートの他に、より精密な装置を作るために「シリコン」というゴムのような材料を使うこともあります。
歯型の精度が、治療の質と期間を左右する
引用:「トクヤマAPミキサーⅢ」株式会社 トクヤマデンタル 公式ホームページより
歯科医師は、採った歯型に石膏を流し込んで「石膏模型」を作り、これを元に診断や装置作製をします。この石膏模型の精度が、治療の質に大きく影響します。一般歯科では、詰め物や被せ物の「適合性」に直結します。矯正歯科では、装置を取り付ける「角度」や「位置」の正確性を左右します。
装置の精度が高ければ、計画通りに歯が動くため、おのずと治療結果はより良いものとなり、治療期間が短縮される可能性もあります。実際の歯や歯茎の形をいかに正確に模型で再現できるか。これは、私たち歯科医師や歯科技工士にとって最も重要な作業の一つと言っても過言ではありません。
「見えない部分」への、当院のこだわり
引用:「トクヤマAP-1」株式会社 トクヤマデンタル 公式ホームページより
当院では、最終的な治療結果をより良いものにするため、歯型採りから模型作製までの工程一つひとつに、徹底的にこだわっています。
こだわり①:安定性の高い材料の採用
アルジネート印象材は、温度や水分量で硬化時間が変わりやすいですが、当院ではその影響を受けにくい高品質な製品を採用しています。
こだわり②:徹底した湿度管理
石膏が固まる際の変形を防ぐため、硬化中は湿度を100%に保った専用の容器で厳密に管理しています。
こだわり③:最高精度の材料を、機械で練り上げる
精密な装置を作るためのシリコン印象材は、現在最も精度が高いとされるものを選定。さらに、人の手で混ぜると気泡が入ったり、均一でなくなったりするリスクを避けるため、必ず専用の機械で練り上げています。
これら一つひとつの丁寧な積み重ねが、最終的な治療の質につながると信じています。