上顎前突と過蓋咬合の上下裏側矯正での治療

症例概要

本症例は、上顎前突と過蓋咬合を主訴とする患者様に対し、上下顎ともに舌側矯正装置を使用して治療を行いました。
臼歯関係の前後的不調和を改善するため、上顎第一小臼歯と下顎第二小臼歯の計4本を抜歯し、適切な咬合関係の確立を図りました。

治療期間:2年1ヶ月

院長 谷木俊夫

谷木院長による症例解説

診断と治療計画

診断所見

初診時の口腔内所見として、以下の不正咬合が認められました。
・上顎前歯の著しい唇側傾斜
・過大なオーバージェット
・過大なオーバーバイト
・軽度の口唇突出感
・AngleⅡ級臼歯関係(下顎大臼歯の後方位)

治療方針

上記の診断所見から、適切な咬合関係と良好な口唇閉鎖を獲得するため、上下左右小臼歯の抜歯を伴う矯正治療が必要と判断いたしました。

治療方法

抜歯部位

・上顎:左右第一小臼歯(4番)
・下顎:左右第二小臼歯(5番)

矯正装置

上下顎ともに舌側矯正装置(リンガルブラケット)を使用し、審美性に配慮した治療を実施いたしました。

アンカレッジコントロール

AngleⅡ級臼歯関係の改善を図るため、正中口蓋縫合部にi-station(歯科矯正用アンカースクリュー)を植立し、上顎大臼歯の圧下と固定を行いました。
これにより、確実な固定源を確保し、効率的な前歯の後方移動を実現しました。

リスクマネジメント

過蓋咬合を伴う抜歯症例においては、抜歯スペース閉鎖時に咬合がさらに深くなるリスクが存在します。
本症例では、以下の対策を講じることで、適切な咬合の深さを維持しながら治療を進めました。
・前歯のトルクコントロール:セットアップ段階でオーバーコレクションを組み込み、前歯の過度な舌側傾斜を防止
・ゲーブルベンドの使用:スペース閉鎖時にワイヤーにゲーブルベンドを付与し、前歯部の適切なトルク保持を実現
・定期的な咬合状態のモニタリング:治療過程における咬合の深さを継続的に評価

治療結果

上顎前歯の突出感は改善され、適切な前歯被蓋関係が確立されました。
また、過蓋咬合も正常範囲まで改善し、機能的かつ審美的に良好な咬合状態を獲得することができました。
患者様からも高い満足度をいただいております。

まとめ

本症例は、上顎前突と過蓋咬合を主訴とする成人症例であり、舌側矯正装置による審美性の高い治療を実施しました。
AngleⅡ級臼歯関係の改善には、歯科矯正用アンカースクリューを使用した確実な固定が有効でした。
また、ディープバイト症例特有のリスクに対しては、治療計画段階からのオーバーコレクション設定とゲーブルベンドの適切な使用により、良好な治療結果を達成することができました。

費用

総額:176万円(税込)
※分割払いをご利用いただけます(月々17,987円より)
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