院長ブログ

裏側矯正とインビザラインどちらを選ぶべきか悩んだら? 両方のメリット・デメリットを知ることから始めましょう!

歯並びの重要性について

 

「歯並びが綺麗」と聞くと審美面の『見た目が綺麗だ』と思う方が多いと思いますが、実は歯並びは見た目だけの問題だけではなく、お口の健康や発音、身体の健康などにも深く関わっています。

歯並びが悪いと心や身体の健康にも悪影響が出ます。

矯正治療は歯並びを改善するだけでなく、口腔環境を良好に保つことで身体の健康を維持し、自信に満ちた笑顔を取り戻すことができます。

歯並びが与える身体への影響

 

①虫歯や歯周病の原因となる

歯並びが悪いと歯が重なっていたり不揃いになっている状態なので歯磨きがしにくいお口の環境となっています。

歯磨きがうまくできない状態が続くと、細菌を取り除くことができないためお口の中の菌が増殖し、虫歯や歯周病の原因となります。また近年の研究では歯周病菌は、心臓・循環器疾患・糖尿病などの生活習慣病とも関連があることがわかっています。

 

②口腔内が乾燥する

不正咬合はいくつかの種類がありますが、例えば『開口(かいこう)』や『上顎前突(じょうがくぜんとつ)』は、特にお口の中が乾きやすくドライマウスの状態になりやすくなります。ドライマウスになると口腔内の唾液の分泌が減少し、唾液のもつ抗菌作用や自浄作用などが機能しなくなり、虫歯や歯周病、口臭の原因にもなります。

 

③顎関節症

噛み合わせが悪いと顎関節に影響が出て顎関節症になったり、姿勢などの骨格にも影響が出ることがあります。

 

裏側矯正とは?

歯の表側に矯正装置をつける『表側矯正』は知っている方が多いと思いますが、『裏側矯正』は歯の裏側に矯正装置をつける矯正治療です。

裏側矯正は矯正装置を歯の裏側に装着するため、矯正していることに気付かれにくいです。矯正装置が見えてしまうことが気になる方に向いています。

矯正に使用する器具は表側矯正と同じブラケットとワイヤーですが、歯の裏側にブラケットを装着しそこにワイヤーを通して力を加え、徐々に歯を動かします。

裏側矯正のメリット

①矯正器具がほとんど見えない

歯の裏側に矯正器具を装着するため、ほとんどの場合他人から見て矯正治療中だということがわかりません。

 

②矯正治療中のお口のトラブルが少ない

裏側矯正の場合、歯の表側よりも裏側の方が唾液が循環しやすい環境なので、唾液がプラークや食べかすを洗い流したり再石灰化作用が機能するため、表側矯正に比べると裏側矯正の方が虫歯のリスクが低くなります。

 

③お口の中の怪我をしにくい

裏側に矯正器具が装着されているので唇に直接器具が当たらないため、スポーツをしている時や転んだ時などにお口の中を怪我するリスクは低くなります。

 

④前歯を後方に動かしやすい

表側矯正よりも効率的に前歯を後方に動かすことができます。

 

 

裏側矯正のデメリット

①喋りにくい

歯の裏側に矯正器具がついているため、矯正器具が邪魔になって舌を歯の裏側に当てて発音する言葉が喋りにくくなることがあります。

しかしほとんどの場合、数日〜数週間ほどで慣れてしまいます。

 

②矯正装置の違和感がある

歯の裏側に矯正器具が装着されているため、舌に違和感を感じるケースがあります。

特に矯正装置を装着した直後は違和感を強く感じ、舌が矯正装置に触れて傷ついたり口内炎ができてしまったりすることがあります。

 

③食事がしづらい

「舌が矯正装置に当たって食べにくい」または「食べ物が矯正装置にはさまりやすい」など、食事がしにくいという方もいます。特に粘着性のある食べ物は矯正装置にくっつきやすく、繊維質の食べ物も矯正装置にはさまりやすいです。

 

④歯磨きがしにくい

矯正装置をつけたまま歯磨きをすることになるため、普段よりも歯磨きがしにくくなります。さらに裏側矯正の場合、鏡を見て確認することができないため表側矯正よりも歯磨きがしにくくなります。

 

⑤費用が高くなる

裏側矯正はオーダーメイドな装置が必要で、さらに高度な技術が求められるため、表側矯正に比べて費用が高くなる傾向があります。

 

 

インビザラインとは?

 

インビザラインはワイヤーやブラケットを一切使わない矯正で、オーダーメイドで作製された透明なマウスピース型の矯正装置(アライナー)を使う新しい矯正方法です。マウスピースを毎日装着し、2週間毎に交換しながら少しずつ歯の位置を動かしていきます。

 

インビザラインは3次元の治療計画ソフトで歯の動きを予測し、治療開始の段階で治療完了後までの歯並びを3Dシミュレートできることが大きな特徴です。

 

インビザラインのメリット

①自分で取りはずせる

インビザラインはマウスピース型の矯正装置なので、食事の時や歯磨きの時に取り外すことができます。そのため食事制限もなく、毎日のセルフケアも普段通りに行うことができます。また、プレゼンなどで人前に出て喋る時も自分の意思で取りはずすことができます。

 

②装置が目立たない

マウスピースが透明なのでつけていても目立ちにくく、矯正治療中だということがわかりにくいです。

 

③金属アレルギーの方でもOK

装置に金属を使用していないので金属アレルギーが心配な方でも矯正治療を行えます。

 

④痛みや違和感が少ない

ワイヤーを使用した矯正は痛みを感じることがあります。個人差はありますがインビザラインはマウスピースが0.5mmとかなり薄いため違和感も少なく、痛みはほとんどないです。

 

⑤通院回数が少なくて済む

インビザラインは最初に採った歯型で治療終了時までのマウスピースを全て作製するため、他のマウスピース矯正よりも通院回数が少なくて済みます。

 

 

インビザラインのデメリット

①適応できない症例もある

インビザラインはどの症例にも適応するわけではありません。しっかりと歯科医師に相談することが大切です。

 

②一日の装着時間を守る必要がある

インビザラインは長時間装着することで効果が得られる矯正治療の方法です。毎日一日20時間以上はマウスピースを装着しなければいけません。

 

③マウスピースを紛失する恐れがある

外でマウスピースをはずした時に紛失してしまったり、家であってもマウスピースをティッシュにくるんで置いておいたら家族が間違って捨ててしまった、など紛失することがあります。紛失すると費用がかかりますし、治療期間が延びてしまいます。

まとめ

裏側矯正は見た目を気にせずに歯並びを整えることができる優れた治療法です。

舌の位置が歯並びに与える影響については十分に理解しておく必要がありますが、裏側矯正は舌の位置が自然と正しい位置に誘導されることが多いという特徴があります。

特に舌突出癖による開口の治療では裏側矯正装置での歯列矯正が習癖改善に有効です。

発音の問題が生じた場合はゆっくり話すように意識することで、通常一ヶ月ほどで自然に発音できるようになります。慣れるまでの間は違和感を減らすカバーもあるので、あまりに辛い場合は担当医に相談してみましょう。

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