院長ブログ

裏側矯正を始める前に親知らずの抜歯は必要? 抜いたほうがよい・抜かなくてもよい場合それぞれを解説します!

 歯並びや噛み合わせが気になって矯正治療を検討する場合に、抜歯が必要なのか気になる方も多いのではないでしょうか。抜歯をする場合に対象となる歯の一つに親知らずがあります。今回は、親知らずとはどのような歯なのか、抜歯したほうがよいケース、しなくてもよいケースにはどのようなものがあるのかなどについてご紹介します。

 

親知らずとはどのような歯?

 

 親知らずとは、前から数えて8番目に生えてくる奥歯です。歯科用語では「第三大臼歯」ともいいます。最大で上下に2本ずつ計8本生えてきますが、必ずしも全て生えそろうわけではありません。乳歯から永久歯に生え変わるタイミングよりもやや遅れて、10代後半~20代前半ごろに生えてくることが多いとされています。

 

 親知らずと呼ばれるようになった由来には諸説ありますが、昔は今のように医療が発達していなかったため平均寿命も短く、「親知らずが生えてくるころには親は亡くなってしまっていたから」という言い伝えもあります。

 

親知らずは何本生えてくる?

 人間の永久歯は、通常28本~32本です。この本数に幅があるのは、親知らずが必ずしも4本すべて生えてくるとは限らないためです。親知らずが生えてくる本数には個人差があり、1本も生えてこない人もいれば1、2本だけ生えてくる人、4本全て生えそろう人まで様々です。生え方も様々で、他の歯と同じようにまっすぐ生えてくる親知らずもあれば、斜めに生えてくる親知らずもあります。また、水平(横向き)になっていて生えてこない親知らずもあります。

 

裏側矯正を始める前に抜いたほうがよい親知らず

 

 抜歯をする際にはどうしても多少の痛みは伴うため、できるだけ抜歯はしないで矯正治療を進めたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、矯正治療を始める前に抜歯が必要かどうかは、その人の歯並びや噛み合わせの状態、目指す治療のゴールによって異なります。

 

 もし親知らずを抜いたほうがよいにもかかわらず、そのまま抜かずに矯正治療を進めてしまうことにはリスクも伴います。例えば、親知らずが残っていることによってむし歯や歯周病、智歯周囲炎になりやすくなる、もしくは、親知らずが手前の歯を押して歯並びが再び悪くなってしまうなどのリスクが考えられます。

 

 ここでは、矯正治療を始める前に抜いておいたほうがよい親知らずの例をご紹介します。

 

歯並びの乱れの原因になる

 

 親知らずがまだ生えておらず歯ぐきの中に埋まっている状態であっても、レントゲンの画像を見ればどのように生えているかは分かります。もし親知らずが横向きや斜めになっていると、手前の歯を押して力がかかり、歯列に影響が及ぶ可能性があります。そのような場合は、あらかじめ親知らずを抜いておいた方がよいケースも多くあります。

 

歯を並べるためのスペースが足りなくなる

 

 歯を綺麗に並べるために必要なスペースに比べて顎の骨が小さい場合、抜歯をしてスペースを確保する必要があります。この場合、親知らずの生え方に異常がなかったとしても、親知らずを抜歯して歯列を全体的に後ろに下げ、スペースを確保するのです。ただし、親知らずではなく第一小臼歯(前から数えて4番目の歯)を抜歯の対象とすることもあります。

 

すでにむし歯や智歯周囲炎になっている

  

 親知らずは一番奥に生えているため歯ブラシが届きにくく、むし歯になるリスクが高い歯です。仮にむし歯になった親知らずを治療したとしても、再発のリスクも非常に高くなります。

 

 また、親知らずによくあるトラブルとして「智歯周囲炎」も挙げられます。智歯周囲炎は、歯ぐきなどの親知らず周囲の組織に炎症が起こる病気です。親知らずが斜めに生えていると歯と歯ぐきの間に深い歯周ポケットができ、この中で細菌が繁殖することが原因となって炎症を生じます。歯そのものに異常はないものの、歯ぐきが腫れる、痛む、膿が出るなどの症状が生じます。智歯周囲炎が重症化すると炎症が顎の下や首にまで及ぶ可能性もあるため、注意が必要です。

 

 このように、むし歯や智歯周囲炎のリスクが高いと判断された場合も、矯正治療前に抜歯をしておくのがよいでしょう。

 

抜かなくてもよい親知らず

 

 一方、親知らずを抜歯せずに矯正治療を進められるケースもあります。どのような条件を満たしていれば、抜歯をしなくてもよいのでしょうか。

 

まっすぐ生えている

  

 親知らずが綺麗にまっすぐ生えていてむし歯や智歯周囲炎になりそうなリスクもない場合は、積極的に親知らずを抜歯する必要はないと言えるでしょう。

 

他の歯に影響を及ぼさない

 もし親知らずがまだ生えておらず、顎の骨の中に埋まっている状態であったとしても、出てくる気配がない、もしくは他の歯に影響を及ぼさないと考えられる場合も、特に親知らずを抜かなくてもよいでしょう。

 

もともと生えてこない

 親知らずは年々退化しているとも言われており、もとから親知らずが生えてこない方も近年はたくさんいらっしゃいます。そのような場合は、もちろん親知らずの抜歯は必要ありません。もし歯が綺麗に並びきるだけのスペースが足りないときは、第一小臼歯などの歯を抜歯することになります。親知らずがあるかどうかは、レントゲンを撮影してみればすぐに分かります。

 

一度に何本の親知らずを抜歯できる?

 抜歯で何度も痛い思いをしたくないから、一度に全部抜いてしまいたいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、基本的には親知らずの抜歯は1回の治療で1本です。小臼歯の抜歯であれば1回の治療で2本抜歯するケースもゼロではありませんが、親知らずの抜歯は小臼歯の抜歯に比べて身体にある程度の負担がかかります。また、親知らずの抜歯後は腫れや痛みが出ることも多いため、抜歯後の食事や会話などで不便を感じる方も少なくありません。このような理由から、親知らずは1本ずつの抜歯がおすすめです。

 

まとめ

 いかがでしたでしょうか?全ての方に当てはまるとは限りませんが、矯正治療を始める前に親知らずの抜歯を検討したほうがよいこともあります。親知らずを抜歯しなかった場合のデメリットもしっかり理解した上で、抜歯について担当歯科医師とよく相談しましょう。

 

 当院では、精密検査をしてから診断までに2週間程度のお時間を頂戴しております。歯科用CTでの撮影データなどを照らし合わせながら、抜歯をするかしないかも含めて丁寧に治療計画を立てているためです。抜歯について不安や疑問点がございましたら、カウンセリングのタイミングなどなるべく早い段階でご相談ください。 

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