矯正治療中に装置が外れてしまうということは治療をされている方なら一度は経験することかと思います。そこで今回は装置が外れる3つの理由とその対処方法についてご説明します。
- 装置を取り付ける際に歯面に唾液が付着していた
装置を接着する際には歯をよく乾燥させる必要があります。唾液が多い場合や唾液腺付近、歯の裏側などどうしても歯に唾液が付着しやすい場合があります。唾液を吸い取る管やガーゼ、お口を広げる器具などでできる限り唾液を排除して装置の接着を行うことが大切です。
- 装置が噛み合わせると歯に当たる
噛み合わせによっては食べ物などを噛む際に装置と歯が当たってしまう場合があります。装置を適正な位置に取り付けると、歯並びによっては上下の歯を噛み合わせた際に装置と歯が当たってしまう場合があり、これが脱離の原因となります。また最初に装置を付けた際には歯と装置が当たっていなくても治療が進むことで歯が動き、当たってくる場合もあるので注意が必要です。このような場合には奥歯の噛む面に取り外しができる材料を付けて高さを調整したり、一時的に小型の装置を装着したりすることで脱離を防ぐことができます。
- 矯正治療用の接着剤にはあまり強い接着力がありません
治療後には装置を歯を傷めずに除去する必要があるので、装置にある程度の力が加わると外れるくらいの接着力しかありません。もし仮により強力な接着剤で装置を接着してしまうと、装置を除去する際に、歯の表面を傷つけてしまったり、歯にヒビが入ってしまったりすることになります。したがって矯正治療で使用する接着剤は虫歯治療で使用されている接着剤のように強力なものではありません。
装置が外れた場合には装置の付け直しが必要となりますので通院中の医院にすぐに連絡しましょう。その際には外れた装置の場所を伝えると救急処置をよりスムーズに行うことができるでしょう。来院までに器具が当たって痛い場合には応急処置として熱で柔らかくなるワックスや専用のシリコンで覆うと痛みを軽減することができます。またご遠方からの通院などですぐには治療中の医院に行けない時にはお近くの歯科医院で外れた装置の除去ができる場合もあります。装置が治療中に外れることは決して珍しいことではありませんのでまずは慌てずに通院中の医院にご相談ください。