裏側矯正とは、歯の裏側にブラケットとよばれる矯正装置をつけ、そこにワイヤーを通して圧をかけることで歯を動かしていく矯正治療方法です。治療を進めていくにあたっては、定期的に通院していただく必要があります。この記事では、通院の頻度や定期通院の目的、その内容などを詳しく解説していきます。
目次
裏側矯正ではどのくらいの頻度で通院が必要?
裏側矯正の場合は、月に1回の頻度で定期通院をお願いしております。なぜ1ヶ月なのか、ということについては歯が動く過程や要する時間が深くかかわっています。矯正治療では、装置により歯に力をかけると骨の吸収と再生が起こります。これらを繰り返すことで、歯は少しずつ動きます。この一連の過程に必要な時間が概ね1ヶ月であるため、歯が動くサイクルに合わせてご来院いただいています。
裏側矯正の定期通院の目的
月に1度の定期通院には、どのような目的があるのでしょうか。詳しくご紹介します。
歯の動きを確認する
定期的に通院していただく一番の目的は、歯が治療計画通りに順調に動いているかを確認することです。もし前の月から歯が動いていない、計画とは異なる動きをしているようなことがあれば、原因と対処方法を考えなければなりません。
装置を調整する
裏側矯正では、歯の裏側にブラケットとよばれる装置をつけ、そこにワイヤーを通します。このワイヤーの弾力性を用いて、歯に力をかけていくのです。ワイヤーの種類や曲げ方などを細かく変えていくことで、歯にかける力を少しずつ変えていきます。装置を調整する際には、そのときの歯の動きに合わせてワイヤーの種類や曲げ方を変え、適切な力が歯にかかるようにコントロールしていきます。一つずつ手作業での処置になるため、調整には60分~90分ほどの時間を要します。
装置が破損していないか確認する
裏側矯正の場合は、まずブラケットが正しく装着しているかを確認します。歯の裏側は装置の接着面が狭く、表側にブラケットをつける矯正方法に比べるとブラケットが取れやすいという面があるからです。ブラケット以外の装置が破損していないか、お口の中の粘膜に当たって傷になっていないか、といったことも確認していきます。
むし歯や歯周病になっていないか確認する
裏側矯正の装置のまわりや歯との境目には汚れがたまりやすく、そして歯ブラシの毛先も届きにくいため、なんとなく磨いているだけでは汚れがしっかりと落ちません。特に、ブラケットの下の部分と歯ぐきの間の部分が非常に磨きにくくなります。歯ブラシをいつも通りに当てただけでは、装置の下まで毛先が届かず、汚れが溜まった状態が続くとむし歯や歯周病のリスクが高まります。定期通院では、むし歯や歯周病になっていないかを確認するとともに、歯が正しく磨けているか、汚れが残っていないかなどもチェックし、必要に応じて磨き方や適切なセルフケアグッズをご提案いたします。
裏側矯正の定期通院では何をするの?
当院における定期通院での流れをご紹介します。
クリーニング
定期通院では必ず歯科衛生士による専門的なクリーニングを行います(約30分)。ご自身の歯磨きやセルフケアだけではどうしても落としきれない歯石や着色なども、専用の器材を用いて丁寧に落としていきます。クリーニングには、主に超音波ブラシや回転ブラシ、歯ぐきのマッサージブラシなどを使用します。
ワイヤー交換および装置の調整
治療計画に合わせてワイヤーの交換や装置の調整を行います(約45分)。初期の段階では、ワイヤーを徐々に太くして歯にかける力をコントロールします。治療の中盤以降、歯の隙間を閉じたり細かな段差を整えるときには、オーダーメイドのワイヤーを手作業で曲げて調節していきます。場合によっては、装置の交換や追加を行います。
写真撮影および説明
定期通院で毎回写真撮影を行うことは、当院ならではの特徴の一つです。ほとんどの医院では毎回写真撮影をすることはありませんが、1ヶ月でどのくらい歯が動き、見た目に変化があらわれているかということを患者様にご確認いただくために行っています。写真を撮影すると同時に、現在の状況や今後の治療予定についてのご説明もいたします(撮影・説明を合わせて約10分)。写真を撮ることで、治療の経過が一目でわかります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?裏側矯正の定期通院には様々な目的があり、矯正治療を計画通りに進めていくだけでなくお口の健康を守るためにもとても大切な機会です。矯正治療を成功に導くためにも、定期通院にはお越しいただくようお願いいたします。矯正治療中に気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。