先日インフルエンザの予防接種を受けてきました。日々注射をする立場なのですが、注射をされる立場になるとどうしても緊張してしまいます。やはり針を刺す瞬間も怖いですし、針が刺さった後に薬液が入ってくる時には我慢が必要です。やはり注射は痛みが少ない方がいいなと改めて思いました。
当院ではまず麻酔の前に表面麻酔を行います。唾液で流れやすい軟膏タイプの表面麻酔ではなく、高濃度の局所麻酔剤を接着面に含んだ透明のシールを採用しています。針を刺す前に歯茎の表面を麻痺させ、注射針を刺す痛みを軽減します。表面麻酔が完了するまで5分ほどしっかりと時間を置いた後、麻酔を始めていきます。
麻酔の際には電動の機械を使用しています。麻酔の薬液を一気に注入してしまうと、急激に細胞の膨張がおこり圧迫感から痛みをともなうことがあります。人の手で麻酔をすると、どうしても薬液を入れる力加減やスピードを一定に保つことができません。麻酔液を機械により一定速度で注入することで、より痛みが少ない麻酔となります。
機械を使用するメリットは薬液の注入速度をコントロールできるということだけではありません。極細の注射針を使用すると、手の力だけでは薬液が必要な箇所になかなか入っていきません。機械ですと33Gというサイズの極細の針を使用しても一定速度で麻酔をすることが可能です。33Gというと髪の毛1本分(直径0.25mm)程度の細さです。予防接種でよく使用される針のサイズが25G(直径0.5mm)なのでかなり細いことがわかりますよね。
最後にもう一工夫ですが麻酔の薬液を体温(人肌)と同じ程度に温めておくと、痛みを軽減することができるので、ここまでやるとほとんど痛みを感じることなく麻酔ができるのです。
当院では矯正用インプラント(歯科矯正用アンカースクリュー)の手術時に麻酔を使用しています。上あごのインプラントの埋入は通常5分程度で終わりますが、できるだけお痛みが少ないように麻酔にはある程度時間をかけています。アンカースクリューが怖かったり、麻酔が苦手だったりという方にもご安心いただける体制でので、歯茎の麻酔にご不安がございましたらお気軽にご相談ください。