矯正歯科治療はその他の歯科治療に比べて長い時間がかかります。なるべく治療期間を短縮したいというのが患者さんとドクターの共通の願いです。これまで治療期間短縮のために様々な方法が考案されてきました。例えば歯の周りの骨に切れ目を入れる方法や、歯に定期的な振動を与える方法、歯茎にレーザーを当てる方法などです。どの方法も痛みがあったり、毎日続けることが難しかったり、効果が証明されてなかったりと治療期間の大幅な短縮は中々難しいというのが現状です。そこで今回のブログでは確実で比較的簡単に治療期間を短縮できる3つの方法をご紹介したいと思います。
①歯科矯正用アンカースクリュー(インプラント)の併用
これまで小臼歯(前から4番目または5番目の歯)を抜歯して前歯を後方へ移動する際にはまず糸切り歯だけを後方に移動して、その後に前歯を後方に移動するということを行っていました。2段階に分けて移動を行うのは糸切り歯と前歯を同時に移動すると反作用で奥歯が手前に引き寄せられてしまうためです。しかしアンカースクリューで奥歯を固定することにより、前歯と糸切り歯を同時に後方へ移動することができるようになりました。
②インビザライン(マウスピース型矯正装置・薬機法対象外)や顎間ゴムをなるべく長い時間使用する
治療中には患者さんの協力が必要な場合が多々あります。マウスピース型の装置ではマウスピースを装着している間のみ歯に力が加わるので、使用時間が短いと歯の動きは遅くなってしまいます。またワイヤーの場合でも顎間ゴムという輪ゴムのようなものを歯に装着していただく場合があり、これも使用時間が短いと治療期間が延長してまう原因となります。
③正確な治療計画と装置の精密な装着
歯の動きに無駄のないよう最短経路で歯が動くよう計画を立てることが重要です。予測が正確な治療計画は歯の負担を減らすこともでき一石二鳥となります。また装置を歯に装着する際にズレがあると最後にワイヤーの微調整が必要となり治療期間が長くなってしまいます。歯が綺麗に並んだ状態を再現した予測模型を使い、正確に装置を装着するためのキャップをオーダーメイドで作ることが理想的です。
ここでご紹介させていただいた3つの方法は治療期間を短縮することができる可能性が高い方法です。歯並びの治療を受けようと考えられている方は是非覚えておいて下さい。