出っ歯には様々な状態があります。上の前歯だけ前方に出ている場合や上下とも前歯が前方に位置している場合など、どういった状態を出っ歯と感じるかは人によってまちまちだと思います。学術的には上顎前突、下顎遠心咬合、両顎前突のことだと思われますが、一般的には広辞苑によると「前歯が前方に反って出た状態」を指しているようです。そこで今回は上だけ、または上下の前歯が前方にあり、口元が出ている状態の治療法について代表的な3つの治療法をご紹介したいと思います。
① 小臼歯(前から数えて4または5番目の歯)を抜いて、そのスペースを使って前歯を下げる方法
上下または上のみの小臼歯を抜いて、そのスペースを利用して前歯6本を後方へ下げる方法があります。この方法が最も前歯を後方に下げることが可能です。アンカースクリューを併用し、奥歯が前方に移動しないよう固定することで、さらに前歯を大きく後方に下げることも可能になりました。
② 歯科矯正用アンカースクリュー(インプラント)を使用し、歯を後方に引く方法
上下または上のみの歯全体を矯正用インプラントとバネやゴムを使って後方に牽引する方法です。一番奥の歯より後方に歯を並べるための顎の骨がある場合には歯を抜かずに前歯を含めた歯全体を後方に移動することができるようになっています。かつては小臼歯を抜かないと治療できなかったようなケースでも抜歯をせずに治療することができるようになりました。
③ ディスキング(歯と歯の間を歯に影響がない範囲で少しずつ削ること)によりスペースを作り、その分前歯を下げる方法
歯に影響がない範囲で少しずつ歯と歯の間を削り、その隙間を使って前歯を後方に下げます。歯に影響がない範囲なので前歯の移動量は制限されますが、少しだけ前歯を下げたい場合にインプラントや小臼歯の抜歯が必要ありませんので比較的簡単に行うことができます。
出っ歯の治療は前歯の移動量に応じて主にこれらの3つの方法で行います。 自分の歯がどの治療法に当てはまるのか気になる方はお気軽にご相談ください。