マウスピース矯正にデメリットはありますか?
マウスピースを長時間歯に装着する必要がある
マウスピースを装着する時間が短いと計画通りに歯は動きません。
ワイヤーでは装置を自分では取り外すことができないため、24時間歯に矯正力が加わります。
マウスピースでは装置を装着している間のみ矯正力が歯に加わるので20時間以上の使用を推奨しています。
歯並びによってはマウスピースでは治療が難しい場合がある
大臼歯の前方移動や5mm以上の隙間を閉じるような歯の移動に関してはマウスピース矯正では難しいことや治療期間が大幅に伸びてしまうということがあります。
その場合、ワイヤー矯正や矯正用インプラントを併用する場合があります。
マウスピースで適切に治療するためには治療計画が複雑になる場合がある
マウスピースの治療シミュレーション(クリンチェック)は綿密に計画する必要があります。
単に歯を並べていくだけでは治療計画通りに歯は動きません。
例えば大臼歯の後方移動では何本かを同時に動かすのではなく1本ずつ歯を移動したり、動きにくい歯を動かす場合には通常1つのマウスピースで歯を動かす移動量をあえて半分に設定したりといった細かい調整を行う必要があります。
取り外しが面倒
食事をする際にはマウスピースを一旦取り外す必要があります。
自宅ではそれほど難しいことではありませんが、出先などでは不便な思いをされるかもしれません。
また再装着する際にはなるべく歯磨後を推奨しています。
マウスピースを何度か作り直すことがある
治療期間やマウスピースの装着時間によっては次第にマウスピースが歯にぴったりと合わなくなってくる場合があります。
その際には追加の費用はかかりませんが、口腔内の再スキャンおよびマウスピースの再製作が必要となります。
マウスピースが汚れることはありませんか?
マウスピースの汚れの原因
装置を装着したままの飲食や、食事の後歯磨きする時間がなくマウスピースを装着した場合、また長期間の同じ装置を使用することで汚れが目立つようになります。
マウスピースのお手入れ方法
入れ歯用の歯ブラシで磨く方法と専用の洗浄剤で付け置き洗いする方法があります。購入をご希望希される場合はお気軽にお申し付けください。
マウスピースの交換間隔
マウスピース型矯正装置(インビザライン ・薬機法対象外)は1週間から10日程で新しい装置に交換するため、もし着色が付いてもすぐ新品に交換するので汚れは気にならないことがほとんどです。
さらにはオーソパルスなどの加速装置を毎日継続的に使用することで、3日ごとにマウスピースを交換することも可能です。
マウスピース矯正はどのような歯並びでも治療できますか?
マウスピース型装置の適用範囲
マウスピース矯正は得意な歯の動きと不得意な歯の動きがあります。一般的にはディープバイトの抜歯症例(噛み合わせが深く、抜歯を必要とするケース)や大臼歯の近心移動症例(奥歯を前方に移動する必要がある症例)が難しいと言われています。
治療計画
マウスピースでの治療では通常のワイヤーを使用する治療とは違った知識と経験が必要です。ご希望と歯並びに応じて適切な治療計画を立案する必要があります。
展望
マウスピース型矯正装置(インビザライン・薬機法対象外)ではシステムが日々進化しており、近年では抜歯が必要なケースにも適用できるようになっているため、さらに適用範囲が拡大するものと思われます。
マウスピース矯正の痛みはどの程度ですか?
痛みの程度
全く痛くないということはありませんが、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ない場合がほとんどです。
なぜ痛みが少ないか
マウスピース矯正では1装置につき0.25mm〜0.5mmまでの歯の移動量を調整しており、これは歯根膜腔と呼ばれる歯と骨の隙間とほぼ同量です。
元々ある隙間分だけ精密に歯を動かすので痛みを軽減できると言われています。またマウスピース矯正材料には適度な弾性があるため歯に過度な力が加わりません。